超歌舞伎「永遠花誉功」東京千穐楽@新橋演舞場

昨日は新橋演舞場の超歌舞伎「永遠花誉功」東京千穐楽へと。

帝位簒奪を企む蘇我入鹿(澤村國矢)は権勢を欲しいままにし、苧環姫(初音ミク)を后に迎えようと企てるも、苧環姫本人はすでに恋煩いの果てに亡くなっており、現在の姫は屏風絵にその魂が乗り移ったもの。そしてその恋の相手は藤原鎌足の臣、金輪五郎今国(中村獅童)。その事実を隠し、婚礼の場で入鹿を討ち果たさんとする金輪五郎と苧環姫。
苧環姫がすでに亡き者と知った入鹿は屏風を破り捨てるように銘ずる。 
邪悪な青龍の力を身に宿している入鹿の力の前に押される金輪五郎のもとに白狐の眷属(小川陽喜)が現れ、藤原鎌足が白狐より賜った鎌(鎌足だけに鎌か……)を手渡し、反撃。
一度は苧環姫の力により入鹿を屏風絵の中に封じることに成功するも(国矢さんのモーションを取り込んで、3Dモデルの初音ミクとの立ち回りの映像は良き!)、青龍の力により入鹿復活。
力尽きたかに思えた金輪五郎。
そこで「緑の色の灯火を!数多の人の言の葉を」とお約束のセリフをきっかけに満場のペンライト(ニコニコの配信だと、ここで画面を覆い尽くすコメント)の力を得て、金輪五郎は復活、鎌が大型化……うん、デスサイズね。
そして入鹿を討ち果たすと同時に、想いを果たした苧環姫は「ありがとう……そしてさようなら」と言葉を残して消えていく。
と、ここで「初音ミクの消失」がかかって大団円。
そしてアンコールでは「千本桜」がかかるのも恒例。
構成自体は毎回演目が変わっても同じ――悪役によって正義が倒され、観客の応援を得て、大復活。最後はその力で悪を倒して大団円、という誰が見てもわかりやすい構成であり、これが超歌舞伎の型なのだけど、やはりあのライブ感というのは現地でしか味わえず。配信もいいんだけどね。
大団円ではペンライトの洪水の中、獅童さんが観客席まで入っていき煽るのも恒例。そしてカーテンコールでは写真撮影自由、SNS投稿も自由なのも恒例。
最初の「超歌舞伎の見方」の段で、すでに國矢さんが感極まっていたのだけど、いままで幕張メッセのニコニコ超会議でどれだけ人気を博しても、普段古典歌舞伎をやっている劇場で全国公演ができた、というのはイベントではなく、しっかりと歌舞伎として認知されたというのが大きいのだと、幾多のインタビューを読んでいると感じる。
獅童さんが口上でおっしゃっていたけれど、新橋演舞場にコスプレなんかしてきたらまずいんじゃないか、と思っている人もいるかもしれない。こういうの自分しか言えないだろうから、コスプレしてきていいよ、と前日の公演で言ったら、今日本当にミクさんのコスプレしてきてくれた、と随分嬉しそうで。
いや、小学生からコスプレイヤー、そしてご高齢の歌舞伎ファンまで客層が幅広くて、それでいてみんな楽しんでいて。
なんかいいもの見ましたわー。

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